見上げたとき
あたしがちょっと膨れた顔をしていると、寛人が

「でも、将はそのまんま。お酒弱そうな感じするもん。」

「そうだねー。将がぐびぐび飲んでるのは想像できないわ。」

と菜津が言った。

「ま、菜津は飲む女だけど将引かないでねー」

とちゃっかり付け足して。


すると将は
「引かないよー。なんか俺の分まで飲んでくれてる感じでスッキリするし。」

と言ったので
「うぉっしゃー」
と菜津は気合を入れ何杯目かなんてもう分からないくらい次のドリンクを注文していた。

いやいやそれ、会社帰りのおじさんみたいだから辞めなって。

とさりげなく菜津に諭してみると

菜津は
「ん?なんか言った?」

と小声であたしに言い
そのあと

「将がいいって言ったから菜津、今日はたくさん飲んじゃう」

ともうそれはすごくかわいい声で言っていた。


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