Under The Darkness
3
それからまるまる1週間、外とも連絡が取れず、お屋敷に缶詰状態のまま、日々が過ぎていった。
人との接触も、お父さんと京介君、初老の女中さん、毎日来てくれるおじいさん医師の4人だけ。
そして今日、おじいさん医師からやっと外出の許可が下りた。
私はホッと胸をなで下ろした。
大阪に帰れるからだけじゃない。
安堵した他の理由。
それは今日、生理が来たからだった。
もちろん、そのことはおじいさん医師と看護師さんにもちゃんと話した。
やっと、心からほっと息を吐くことができた。
豪に襲われて。
妊娠していたらどうしようと日々不安だった。
恐怖だった。
でも、生理がきていることに朝気付いて、思わず号泣してしまった。
早朝だったこともあり、隣の部屋に居る京介君が駆けつけてきたときには、さすがに動揺してしまったけれど。
どうしたのかと怖い顔で尋問されて、半ば脅かすようにして理由を聞かれた。
そのあまりの恐ろしさに、彼はやはり極道の息子なのだと全身が凍りついてしまった。
で、結局、誘導尋問に引っかかって白状させられたんだ。
話を聞いて、私以上に安堵を見せた京介君に、『なんでそんなこと男なんかに言わなアカンねん』とめちゃくちゃ腹が立ったんだけど。