Under The Darkness




 それから私は、倉庫から豪のマンションへ連れ戻された。

 そこでまた抱かれて。

 グッタリ弛緩する私を掻き抱いて、豪は言った。


「関東の奴らが不穏な動きしとる。……組総出で、女、探しとるんやて」


 豪は燃えるような目で私を見据えながら、そんなことを言ってきた。


「捜してる女の写真。親父の舎弟が手に入れたから見せてもろたんやけどな?」


 もったいつけたような言い方に辟易する。

 そんな話、興味もない。

 組同士のいざこざなど、一般人の私の興味を惹けるとでも本気で思っているのだろうか。


 私は豪に向けた目を伏せた。


「お前やった」


 頤《おとがい》を掴まれ、逸らした顔を無理やり豪へと向けさせられて、また暴力を奮われるのかと身体が勝手に震え出す。


「なんで関東の組のモンがわざわざ大阪来てお前を探すんや?」


「は」


 豪が何を言っているのか分からなかった。

 関東のヤクザなど、私の知ったことじゃない。

 知り合いなんていない。

 訝しむ私に、豪は嫉妬の滲む目で睨んでくる。


「お前、俺が攫う前に男おったんか」


 じりじりとした焦燥が混じる目で見据えられ、イライラと舌打ち混じりの質問に、私は恐怖で言葉を失った。


「でも、お前、処女やったしな? 身体の関係がなかっただけで、付き合うてた男がおったんか? お前が……惚れた男なんか!? ソイツは関東のヤクザもんなんか!?」


 大きな体躯が覆い被さってきて、嫉妬の混じる双眸で矢継ぎ早に質問しながら、私の肩を激しく揺する。

 ガクガクと揺さぶられて、大きく軋むベッドが悲鳴を上げた。



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