Under The Darkness



『栞、お前なんでそんなおっそろしいこと知ってるんや!?』


 私同様戦きながら、悠宇は『お前は異常者か!?』なんて戦々恐々とした顔で栞ちゃんに言い放つ。


『うふふ、死ね悠宇』


 一瞬、鬼のような形相で悠宇を睨み、ドスの効いた声で威嚇する。

 そして、私へと振り返った時には、いつも通り穏やかにはんなりと微笑む顔に戻っていて。

 変わり身の早さはさすが栞ちゃんだと、私は変なところで感心した。

 雅やかな雰囲気を醸し出す栞ちゃんは、さらに忠告をしてくる。


『美里、知識は多い方がええよ。美里は正真正銘立派なアホやけど、ほんま、アホみたいにクソ男ばっかり惹き寄せるフェロモン大放出なアホ女やねんから。うっかりしょーもない男に先手打たれる前に、首にはよぅ気ィつけや。あの低脳で親のすねばっかりかじってイキがっとるゴリラの大将が襲ってきよったら、首狙って殺めたり。首のな、ここやで、ここ。よう覚えとき』


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