この恋、国家機密なんですか!?


「ちぇっ、自分が幸せだからってさー……」

「ああ鬱陶しい。自分が失恋したからってねー」


お母さんはお父さんに同意を求める。

お父さんは私に気を遣って、苦笑するにとどめた。

ちきしょー、やっぱ帰ってくるんじゃなかった。

二人の幸せっぷりを見せつけられただけじゃん。


「もう帰る……」


実家と言っても同じ都内、電車に乗って30分で自宅につく。

明日まで仕事はお休みだし、コンビニでお酒でも買って一人飲みしよう。

BGMは中島み○きとCocc○で決まりだな。うん。


腰を上げかけると、お母さんがちょっと待ってと私の肩を押した。


「唯、結婚したいなら、お見合いはどう?」

「は?」


なに、いきなり……。


「お見合いだったら、間違いないんじゃない?最初から結婚相手を探すための会なんだから。結婚する気がない人とは出会いようがないじゃない」


そりゃあそうだけど……。

結婚はしたいし、子供もほしいけど。


< 101 / 214 >

この作品をシェア

pagetop