この恋、国家機密なんですか!?


気を使って言うと、マキさんは突然ぽろぽろと泣き出してしまった。

私たちはぎょっとして、何も言えなくなる。

本当は彼女の愚痴を聞くのが怖いのに、みんな黙って待っている。

やがてマキさんは、うつむいたままぽつりぽつりと、涙と一緒にしぼり出すように話し出した。


「子供がいたら幸せだなんて、誰が決めたの?」

「マキさん……」

「結婚したって、子供がいたって、寂しさはなくならない。むしろ、孤独になっていく一方なんだから……」


彼女のつぶやきは、やがて嗚咽に変わっていく。

話を聞いていると、どうやら最近、旦那さんに浮気相手がいることが発覚したらしい。

その前……ちょうどお産の直後から、マキさん夫婦はセックスレスだった。

子供が少し大きくなって、余裕ができたら、きっと復活するに違いない。

マキさんはそう信じて、毎晩涙をがりがり噛みしめながら、向けられた旦那さんの背中をにらみつけていた。

だけど旦那さんはその後一切、マキさんに触ることはなく……

しばしば帰りが遅くなるようになった。

さすがに不審に思ったマキさんが問い詰めると、旦那さんはあっさり白状した。


……とまあ、そんな世にも悲しい、だけどありふれた話だった。


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