愛を知る小鳥
不気味な空気が流れる。
だが潤は怯むことなく園田の元へとゆっくり近づいていく。潤の姿をその目に捉えると、血の滲んだ顔で園田は笑い始めた。

「ハハハッ! お涙頂戴の愛情ごっこかよ、笑えるねぇ」

「何がおかしい」

園田の目の前までくると足を止め、地を這うような低い声で、突き刺すような鋭い瞳で睨み下ろした。園田は尚も笑いを止めない。

「あんたもおめでたい奴だよなぁ。あんた知ってんのか? あの女がとんでもないアバズレだってこ…ぐふっ!」

ガッ!!
再び園田の体が吹き飛ぶ。

「彼女を侮辱することは許さない」

「ぐっ…お前だって散々遊んできたくせに今更純情ごっこかよ? 笑わせんじゃねえよ! …あぁ、アバズレ同士お似合いってわけか…ぐぁっ!!」

バキッ!!
潤の怒りの炎は燃え上がり続ける。

「言いたいことはそれだけか?」

どんな挑発にもただ静かな怒りで迫ってくる潤の姿に思わず息を呑む。だがすぐにニヤリと顔を歪めると、園田は強気な言葉を発した。

「はっ! あんたこんなことしていいと思ってんのか? この部屋で無傷なのはお前だけ。あの女をやったのもお前だって言えばどうなるかね?」

「言えばいい」

「あぁ?」

「言えばいいってんだろ」

潤は全く動じない。その態度に園田の方が戸惑いを見せ始める。
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