だから私は雨の日が好き。【春の章】※加筆修正版

詮索...センサク






「昨日までの打ち合わせデータまとめておきました。それと、映像から頼まれてた昨年データリスト、データと書面に落としてあるので使ってください」


「おう、サンキュ。明日の打ち合わせは午後イチだから、午前中少し打ち合わせしような」


「了解です」




結局、櫻井さんに頼まれていた仕事と自分の処理業務で七時までかかってしまった。

私の目の前で仕事に打ち込んでいる森川は、きっとまだ大量の資料を抱えているだろう。




うちの会社は

第一営業部:映像部門
第二営業部:広告部門
第三営業部:HP部門
第一クリエイター部門
第二クリエイター部門
第三クリエイター部門
企画営業部
管理部
秘書室

という風に分かれている。



第一から第三までのクリエイター部門と営業部は密接に連携を取っているので、ほとんど一緒に仕事をしているようなものなのだ。

企画営業部は、新規受託やプレゼンで取ってきた仕事を各々の営業部に引継ぎ、業務を遂行しやすくする。



森川は第一と仕事をすることが多いので、仕事の時間も不規則になりやすい。


イベントごとは季節を三ヶ月ほど先取りして準備を進めていく。

そうでないと、キャンペーンをしたい時期に準備が終わらないからだ。

そうでなくては、広告業界なんて成り立たないからだ。



夏のための準備が始まり少し慌ただしくなったと言えど、冬ほどの忙しさはない。

今は比較的落ち着いている時期だと言えるのだ。

それでも莫大な仕事量とプレゼンを控えている。

森川は、櫻井さんの補佐役としての役割も果たす重要なポジションとして期待されている。




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