蒼夏の刹那
無音の夏
蒼く澄んだ日差しが眩しい夏の季節。



自転車の走る音、賑やかな学生の笑い声。



桜の花も散り、葉桜に変わった坂道をひとりとぼとぼ歩いていく。



何も、聞こえない。



音が、しない。



まるで、世界が終わってひとりその世界に取り残されてしまったような――そんな感覚。



桜の花が風で散ってしまったあとの、寂しい雰囲気。



ひとり青白く沈んだ顔をして無言で歩く。






もう、幸せなんて永遠にやって来ないような気がする。






“隣にあなたがいない”






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