蒼夏の刹那
夕方になり、空の色が変わっても、ベンチからまだ動けずにいた。



「空……変わっちゃったね……。こんな風にどんどん、周りは変わっていっちゃうのかな?」



私は寂しさを感じていた。



ずっと変わらないで、このままでいられたらいいのに。



蒼が首を振る。



「変わらない世界なんて、おれは嫌だ。止まった世界なんて、死んでるのと同じや」



蒼がはっきりとそう言い、速水くんもそれに頷く。



「自分が変わらなければ、続いていくんだよ夢も記憶(オモイデ)も――オレたちが変わらなければ、何も変わらない」



そうだ……



また、二人に大切な事教えられちゃったな……



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