翼~開け放たれたドア~
「すみません、春輝さん…」

怒ってすぐにシュンとする龍也。

背中にしがみつく私を抱き上げ、クスッと笑った。

…あれ、さっきまでシュンとしてたのどこのどいつだ。

「よく逃げ出さずにいられましたね」

私にしか聞こえないように、話している。

「…頑張ったもん」

龍也がいったんじゃん。

そう言うと、嬉しそうに目を細め、

「ありがとうございます」

頭を撫でてきた。

なんか、私、頭撫でられるの多くないかな?

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