翼~開け放たれたドア~
驚いた様子の優太だったけど、眉をさげてされるがままになっていた。

「……ありがとね、wing」

「…あぁ」

私は静かに手を下げると、フードをとった。

さらりとこぼれ落ちた白い髪。

前のほうにもこぼれた髪を、バサリと後ろへと流す。

前髪をかきあげ、はーっと息をはきだした。

「……許さねえよ?」

静かな空間に響いた声。

“俺”も随分と変わったものだ。

私は、なんとなくそう思った。







さぁ、行こうか?

汚れた翼を持った、美しき鳥は動き出す。

紺色の瞳は何を見据え、何を映し出すのか…。

それは、きっと誰にも分からない。




そして、運命さえも動き出す。

失われた時間を取り戻すカウントダウンは──

もう始まっている。







< 197 / 535 >

この作品をシェア

pagetop