翼~開け放たれたドア~
「……計算外ですね。
こんなにも早く殺られていくとは思ってませんでした」

小さく呟いた赤城啓悟は、なんだか笑っているようだ。

肩が微妙に揺れている。

その間にも、襖の向こうからの声が大きくなっていくから、すごく聞き取りづらい。

「まぁいいでしょう。
素敵なシナリオもありますしねぇ」

…シナリオ?

──まさか

「…あんた、最初から私と空夜たちを……?」

「もちろん。
俺が、度捕まえた鳥をそう易々と逃がすとでも?
君が逃げ出せたのは偶然ではなく必然。
泳がせていただけにすぎないんですよ」

イヤらしく笑う赤城啓悟。

私はそれにまんまと引っかかったってわけか…。

──バキィッ!

今までよりも一際大きな音。

「クククッ…、どうするんですかね?君は」

私、は……
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