翼~開け放たれたドア~
小さな白髪の少女は嗚咽をもらして泣き続ける。

涙が、地面の水に吸い込まれるようにポロポロとこぼれ落ちていくのが視界に入った

だけどその大きな瞳は俺を捉えたまんま。

「もう縛られることもねぇんだろ!?
柵(しがらみ)も何もないんだろ!?
何も考えなくていい!
もうお前は自由だ!飛べるんだよ!!
……だったらそれでいいじゃねぇか!」

なぁ、そうだろ?春輝。

俺は春輝に向かって微笑みかける。

「………怖いのは俺だって同じだった。
だけど、俺の背中押してくれたのはお前で、それなのにお前ができないわけがないだろ?
──お前が誰かを求めちゃいけねぇなんて誰が決めたんだ?」

「……そ、れは…っ!だって…っ」

言葉にしようと開きかけた口からは何もでてこない。

春輝はその口を閉ざして俯く。

「……俺は、誰がなんと言おうがお前がいい」

「えっ……」

と思ったら、俺の発言に驚いて顔をあげ、その真っ赤な目を精一杯見開く。

「言っただろうが。俺のために生きろって」

「…………うん」

コクリと春輝は頷いた。

「俺はお前を求めた。だから……あとはお前次第なんだ。
お前はどうしたい?」

「……………」
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