翼~開け放たれたドア~
「…秋人、平気なのか?」

「なにがだよ」

「人見知りっていうか、信用した人じゃないとあんま話そうとしないだろ?秋人」

なんとなく、見てたら分かる。

「それに、女嫌いだ」

それに何も言わない秋人。

私は、それを肯定と受け取った。



この人は気づいてる。

私が女だってこと。

だって、私を見る目が怯えていた。

ていうか、見てる限り、秋人以外の人たちも気づいていると思う。



「お前は、別に平気だ」

「ふーん…」

なんで、とは聞かなかった。

なんとなく、言ってくれるのを待ってみようと思った。

だから、

「そっか。ありがと」

今はまだ、お礼だけ。

少しは信用してくれてると思うから。

自惚れかもしれないけど。

「なんで礼いうんだよ」

「…なんとなく」
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