純愛〜彼と私の物語〜
「先生は東京の人ですか？」

「あはは。今日はやけに質問が多いね」

「あっ、すみません」

「いや、いいんですよ！僕も色々話せて楽しいですしね。僕は東北出身ですよ。高校を卒業してこっちに来ました」

「へー！すごいなぁ！私は高校を卒業しても実家暮らしですよー」

「いいじゃないですかー。女性はその方が安全でいいですよ」

「先生は資格を取ってから、ずっとここに？」

「いや、お昼過ぎまでは師匠のところです。ここの治療院は夕方から来てます」

「えっ？そうなんですかぁ？」

「はい。その師匠がすっごく恐い先生でねぇ。いつも震え上がっていますよー」

「へぇー！でもその先生のもとにいる、ってことはそれだけ、スゴイ先生なんでしょうね！」

「そうですねぇ。スゴイ方です。色んな意味で」
そう言って健太郎は笑った。

「今の師匠にお会いした時に、この先生だ！って思いましたからねぇ」

「そうなんだぁ。まさに運命的な出会いだったんだぁ！」

「…そうですねぇ」

茉莉愛は運命という言葉に目をキラキラさせながら、聞き入っていた。
　それにしても、健太郎が２つの治療院を掛け持っているとは、健太郎の熱心な働きぶりとその整体に対する熱い思いに茉莉愛は尊敬の思いでいっぱいになった。
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