明日、嫁に行きます!


 午前中には家事を終えてしまって、午後は何もすることがなく、私はぼんやりとテレビを眺めていた。
 お昼の時に、この間逃走してしまった謝罪も込めて、護衛さん達と一緒にランチを取ろうと思ったんだけど、「室内に我々が入ることは禁じられていますので」そう言われ、誘いを断られた。
 なので、簡単だけどおにぎりを作って手渡したら、屈強な男ふたりのきょとん顔を目撃してしまった。
 ふたりはびっくりした顔を見合わせると、嬉しそうに「ありがとうございます」と、お礼を言ってくれたんだけど。

「別に護衛が必要なことなんて何もないのに。あの人達がずっと外にいるって思ったら、どうにも落ち着かないんだよ」

 ぽつりと呟く。今が寒い冬じゃなくてよかった。なんて思いながら、視線をベランダへと流した。
 鷹城さんからの厳命で、学校はしばらく休むように言われてる。学校にもそう連絡してあるらしい。
 私はふーっと溜息を吐いた。そのままコロンと横になる。
 昨夜、鷹城さんに酷使され続けた身体は、あっという間に睡魔を呼び寄せ、私はそのままスコンと眠りに落ちてしまった。



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