年下はキライですか?【完】



「…あ~あ、俺こんな大勢の前で勇気だして佐野さんにプロポーズしたのになぁ…そんな不服そうな顔されちゃーねぇ、俺も傷つく」



周りを見ると、さっきまで時が止まっていたようにこちらに見入ってた社員たちが、知らんぷりしながらそれぞれご飯を食べている。



「あ…ごめん、そんなつもりじゃ…」


「ま、いーや。じゃあまたあとでっ」



桐島くんはトレイを持って席を離れてしまった。


ホントに傷つけちゃった…?


でも梨花ちゃんは悲しんでるし、あの場で素直に喜ぶことなんてできないよっ!

内心は飛び跳ねるくらい嬉しかったケド。


「あゆみぃ、マジでやったね!あれは本気だわ」

「…え?」


「桐島くんよっ!見直したー!元カノにあんなハッキリ言ってくれる男なんてそうそういないよ??あゆみを本当に大事に思ってるからだろうね」



美里に言われて気づくなんて。



そうか…

桐島くん、私のために…



なんだか、今すぐ桐島くんを思いっきり抱きしめたい気分になった。





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