年下はキライですか?【完】


光喜くんが言ってたお店は本当に近くて、歩いて10分以内の場所にあった。


大人の隠れ家的な雰囲気の店内は、それだけで酔ってしまいそうで。

23歳のくせに、こんな店を知ってるとはさすが。


「あ、ウィスキーは飲めますか?これがオススメなんですけど…」


杉浦さんがドリンクメニューを指さしてあたしに渡す。


「ザ・マッカラン…」


シングルモルトか。ウィスキーはあんま飲まないけどせっかくオススメしてくれてんだし。


しかも“ザ・マッカラン”なんて、今日私がつけてきた下着もマッカだし縁があるかも…なんておかしなことを考えている私は、やっぱりテンションがちょっとおかしいのかも。


これもオススメだと言って頼んでくれたカマンベールフライはブルーベリーソースがアクセントになってすごく美味しかった。


さっきの店では食べ物や飲み物の美味しさなんて全然感じなかったのに。


光喜くんは私のことを女の子して見てくれているのがよく伝わって来る。


お店に入るときにドアを開けてくれて先に行かせてくれたり、座るときに椅子を引いてくれたり。


イチイチときめいちゃうんだけど。

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