カラダ探し~第ニ夜~
また、あの頃みたいな生活に戻る事ができるのかな?


真冬とも、買い物に行くなんて何年ぶりだろう。


そう考えるとうれしくなった。












玄関のドアを開けると、そこに待っていたのは、いつもと変わらない翔太の姿。


「おはよう翔太」


「ああ、おはよう美雪。ん?何だか機嫌が良さそうじゃないか」


「へへ……やっぱり分かる?」


良い事なら、家族の態度が変わっただけじゃなく、カラダがふたつ見つかったという事もある。


後ふたつで「カラダ探し」が終わるのだから。


「留美子に聞いたぞ。美雪達もカラダを見つけたんだって?」


「うん、隠してあったって言うよりも、置いてあったって感じだったけどね」


「袴田の邪魔はなかったのか?俺達の方には来なかったけど……」


その事を、どこまで話せば良いのかな?


袴田が高広を狙って、赤い人を呼び寄せた事は間違いない。


校内放送が流れたのがその証拠だ。


最初の校内放送が流れるまでは袴田は動いていなかったのに、「赤い人」が生産棟の二階に現れてから、そこに向かったような感じだった……。
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