腹黒王子に囚われて
「もしかして俺、嫌われてる?」
「嫌いも何も興味な……」
「どうぞどうぞー!こんなやつでいいなら、連れて行ってくださいっ!!」
「は?」
スパッともう一度言ってやろうと思ったら、急に横から美咲が入ってきて
勝手に話を進めようとしている。
「はい、葵カバン!」
「ちょ……」
「じゃあ、ごゆっくりー」
「ありがとう。じゃあ、行こっか」
「あっ……」
あたしの抵抗は虚しく、新條に手を掴まれて引っ張られ……
これ以上騒ぎ立てるのもめんどくさいと思ったから、結局そのまま連れ出されることにした。