腹黒王子に囚われて
「な……にいきなり……」
ようやく頭が動き出して
なんとか平静を保って口を開いた。
だけど目の前の瑛太の真剣な表情は変わることなく
はぐらかそうとするあたしの言葉をさえぎる。
「葵。
ちゃんと俺の目を見て」
「……」
ほんのり茶色いその瞳は、吸い込まれるほど綺麗で
きっとずっと目を合わせていたら、好きと錯覚さえしてしまいそう。
パッと目を逸らして
必死に自分を保った。
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