腹黒王子に囚われて
「で?利用ってどういうこと?」
周りに学校の生徒がいなくなって
ようやく本題へうつった。
あたしとしては、こいつの正体が周りにバレようとも関係ないんだけど。
「単刀直入に言うとさ。
本当に付き合ってよ。俺と」
それはあまりにも予想外の言葉で、
目が丸くなるどころか、細めて眉間に皺を寄せた。
「あ、付き合うって言ってもフリでいいの。
卒業まででいいから」
「……なんで?」
「そうすれば、誰も寄ってこないじゃん」
あっけらかんとそんな台詞を吐くのは、
この男がモテ人生を送っている証拠だ。