腹黒王子に囚われて
7章 微熱
 
「あら……」


朝、いつも通り学校に行くと、席についたと同時に携帯が震える。

開いてみると、そこには瑛太からのメッセで……



【風邪引いたっぽい。
 今日は休むから、帰りは一人で帰って】



と記されていた。


あらら。
あんなやつでも風邪ひくんだ……。

なんて悠長なことを思いながらも


【お大事に】


と一言だけ返した。



この時はまだ、それくらいにしか思わなくて
べつに放課後お見舞いに行ってやろうとか思わなかった。


けど、



「新條くん、熱出して休みなんだって!
 葵、お見舞い行くでしょ?」

「行かない」

「いや、そこは行こうよ!!」



と、美咲に押し付けられた。
 
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