腹黒王子に囚われて
 
「何?」

「えっと……
 ごめん、黙っててもらえる?」


にこりと微笑むその顔は、確かに「王子」なんて響きがピッタリなのかもしれない。

きっと他の女子生徒なら、この笑顔で何も言えなくなる。

だけどあたしはそれ以前に



「べつに。黙るも何も、最初からアンタに興味ないし」



たった一言、そう返した。
 
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