涙雨[ナミダアメ]
大学内のカフェに連れてきて、俺と守にコーヒーを奢ってくれた。


「タバコいる?」


くわえタバコがよく似合う女だ。


「俺もらうー。」


「麗夜、翔子さんに禁煙しろって言われたんじゃねえの?」


「バレなきゃいいの。」


校内での喫煙が担任にバレ、ババアに禁煙を命じられていた。


けど、禁煙なんか逆にストレスだ。


「で、アンタ名前は?」


「泉堂 メイカ。
で、バカサルとそっちの…名前は?」


「ちょっと待った!
サルってなに!!
メイカちゃん俺の名前は
麗夜だからレ・イ・ヤ!」


「ふーん。ホストみてえな名前。
で、キミは?」


「…ま、守。//」

あれ?
なんだか守の様子がおかしい。

どぎまぎしてね?

いつも冷静な守が同様してる。


「マモとバカサルだな。」


そう言ってタバコの煙を吐き出した。




「またバカサルかよ。
まあいいや。
んで雫ちゃんは?」


「雫は今日は来てない。」

「来てない?休み?」

「うん。
バカサル、アンタに頼みたいんだ。」


「何を?」


「雫のこと助けてやって。」


「やっぱ雫ちゃんなんかあったの!?
彼氏になんかされたの!?」


「いちいち騒ぐなっつの!詳しいことは、話せないけど、アイツ泣かないんだ。もう何年も涙を見せてない。嘘の笑顔張り付けて、
アタシにも大丈夫って嘘をつく。アイツ、壊れちゃったんだ。」


「やっぱり。
雫ちゃん、いつも悲しそうな目をしてんの。
泣きそうな目をしてるのに、笑ってるんだよ。」


「バカの癖に勘がいいね。とりあえず、アンタに雫を助けてやってほしい。
みたところ、バカで単純なアンタなら雫が元に戻る気がするよ。」


「バカバカ言わないでよ。」


「本当のことでしょ。
雫がさ、家庭教のバイト初めて、アンタの担当になった時、言ってた。
女好きだけど、すっごく楽しいって。」


「楽しいって?
やったあ~誉められた。」


「単純バカ。
雫がね、楽しそうに話すの初めてだったからアンタに頼みたいんだよ。」


「わかった!!
俺、雫ちゃんを守る!」


「けど、雫に惚れるのはやめときなよ。」


「ちょっと待って。
俺、女の子に惚れるのはまずないから。
つか惚れちゃまずいの?」


「いろいろ大変だから。
とりあえず、マモ!!」


「コイツが、バカしないように見張ってんだよ?」


「は、はい!!」


守は少し顔を赤らめた。


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