涙雨[ナミダアメ]

迷う心

雫side


昨日、麗夜くんから電話が来た。


『これからは男して側にいるよ。』


なんて言われた。


「雫~、どうしたの?
携帯握りしめてボーッとしちゃってさ。」


「メイカ。
そーゆうアンタもランチ食べないの?」


「アタシは…ダイエットだよ。ダイエット!」


昼休み、大学のテラスで
ふたりしてボーッとしていた。


学食ランチ目当てで
大学に来ているメイカが
ランチも食べずにどうしたんだろうか。


「昨日さ、いろいろあってさ。
麗夜くんと揉めちゃって。」


「あ~みたいだね。」



みたいだねって…


「メイカ知ってるの?」


「実はさ、昨日バカサルが街で暴れてボコボコにされたんだよ。
そんで、守と一緒にいたら丁度見つけて拾ったんだよ。」


「麗夜くんが街で暴れた!?喧嘩ってこと!?」



「まあ、アンタと揉めて
イライラ任せに暴れたってとこでしょ。
ガキだよね~アイツ…」




私と揉めて出ていった
のは知っていたけど、
そんなことがあったなんて…



確かに、髪も金髪に近いし、制服もいつも着崩してるし、真面目ではないことはわかるけど…



喧嘩なんてしそうに見えない。



そんな麗夜くんが喧嘩をしたんだ。



私のせいで…



「雫のせいじゃないからね?」


「アイツはさ、アイツ自信にムカついてんだよ。」


「だけど…」



「その傷。
秀さんにやられたんでしょ?」


前髪で隠したはずの
傷をメイカが見つけた。



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