ヴァニタス
2年も人との交流を避けてきたから、人との距離の縮め方がわからない。

本当は、人と近づくことすらも忘れてしまったのかも知れない。

思うことは簡単なのに、それを行動に移すことができない私は弱虫だ。


肌を照りつける太陽の温度に、後少しで夏がくるんだなと私は思った。

今日は武藤さんに何を作ってあげようかなと考えながら、私はスーパーマーケットへ足を向かわせていた。

スーパーマーケットにつくと、
「あら」

彼女と会ってしまった私は、
「――あっ…」

思わず声を出した。

「こんにちは」

クロエさんがあいさつをしてきたので、
「こんにちは…」

私もあいさつを返した。
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