ヴァニタス
お腹の中の赤ちゃんはすくすくと元気に育って行った。

冷たい風が吹いていない、温かい日のことだった。

「果南ちゃん、できたよー!」

テラスの方から武藤さんが声をかけてきた。

武藤さんはテラスの方で朝から何かをしていた。

私はソファーから腰をあげると、
「何ができたんですか?」

すっかり重くなったお腹を動かしながら、テラスの方へと足を向かわせた。

私がテラスにつくと、木製の小さなベッドがあった。

「何ですか、これ?」

そう聞いた私に、
「ベビーベッド」

武藤さんが答えた。

「ベビーベッド、ですか?」

「赤ちゃんを寝かせるためのベッドだよ」

…意味はわかっていますよ。
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