オオカミとライオンに挟まれて


「はじっ………」



初めまして、そう言おうとした私は隣の席の人の顔を見て固まった。




「アハハ、君、さっきもはじっ、って始まったよね。口癖?」



隣の子…凄くカッコいい………

色素が薄い茶色の紙はサラサラで柔らかそう。
弄られてないのに綺麗な形を保つ眉、そしてブラウンな瞳を優しく包む二重な目。

鼻も高くて、もうなにもかも完璧。



私は無意識にボーッっと、眺めてしまっていた。




「……かのんちゃん?どうした?」


おーい、と隣の子が手を振った。

我に返った私はやっぱり戸惑う。
こんなイケメン、生で見たのは始めて。

それこそ、初めましてイケメン。だ。



< 2 / 11 >

この作品をシェア

pagetop