ここに在らず。


「ただ、その人がこの世界に存在するという事が…私には大事なんです」


そんな感情はきっと、やっぱり好きという言葉に当てはまらない。

きっとそんなに…素敵なものじゃない。


尋ねられる事で気づいた、そんな自分の心。

衝撃を受けた。すると、次第に押し寄せる悲しみ。そしてじんわりと染み渡るそれから生まれた、虚しさと寂しさ。でも…それでもやっぱり、だからこそやっぱり、会いたくなってしまうのは彼でーー。


ーーだからだろうか。

だから今日…こんな日でも、やっぱり私はそこに居た。


「トウマさん…」


私が名前を口にすると、ベンチに座る彼は微笑んでいた。

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