ここに在らず。
「だからさ、まぁ今は保護者だけど保護者じゃない、それでいいんじゃないか?向こうは保護者のつもりで居るし、今はそう思わせておいて甘えてやればいいんだよ。それで保護者じゃないのに養ってもらってるその恩を、今後少しずつ自分なりに返していけばいいんじゃないか」
「……はい。それでいつか、私も同じような立場になれるように…そういう事、ですね」
私がそう言うと、ナツキさんは「そういう事だな!」なんて、嬉しそうに答える。
「頑張るのもいいけど、適度に甘えてやるのもあんたの仕事だよ。それが今のあんたのためと、それとトウマさんにしてやれる一番の方法だ」
そう言って笑ってくれるナツキさんに、やっぱりナツキさんと一緒で良かったと、私は心の中で思った。
適度に甘える、か…
生まれて初めてのそれだけど、やってみようと、そう思える事が出来た。