ここに在らず。


だってナツキさんは私の言葉を聞いた瞬間、「はぁ?」と、目を見開いて“何で?”といった様子を私に返した。…そうだった、ナツキさんは怒っていた。私が怒らせてしまったんだった。今更尋ねる事でも無かったと、私は反省した。


「す、すみません、えっと、」
「まぁな。怒ってんな」

「……」


謝る私の上に重なるようにそれは告げられて、思わず私は言葉を失った。するとそんな私に目をやるナツキさん。


「ずっと俺は真剣に話して来たのにあんたには信用されて無くて、それでまた今日も同じような事になって、最近ずっとあんたとこんな話ばっかしてる気がする。何回言えば分かるんだって感じだ」

「……すみません」


それは正にその通りですとしか言いようの無いナツキさんの言い分。私は本日何度目になるか分からない謝罪の言葉を口にした…というか、それしかもう言いようが無かった。私にはこうして謝る事でしか許して貰い方が分からない。どうしようかと考えてはみたものの何も思いつかなくて…「すみませんでした」と、もう一度謝った所で、ナツキさんからの言葉があった。


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