ここに在らず。


…何で分かったんだろう。

…なんて、それこそ今更か。トウマさんはいつも、私の事が分かってしまう。いつも毎回何かある度に私の心を読んでくる。読んでくる…というか、うーん…私はそんなに分かり易いのだろうか…。

でもそれは…きっと、トウマさんがそれだけ私の事を見てくれているという事で、トウマさんがそれだけ私に関心を抱いてくれているという事。いつもずっと、前からずっとそうだった。

…嬉しいな…


なんて、私はしみじみと感じる。でもそこで、いやいやそれではいけない!と自分に言い聞かせた。そんな事ではきっとトウマさんを納得させる事なんて出来ない。そうだ、私にはこの後重大な仕事が待っているのだ。

きっと私の事だから無理だろうと、ナツキさんは少しアドバイスをくれた。お金を稼ぎたいと言ってはいけないのだと。それだとお小遣いを使えばいいで終わってしまうらしい。でも嘘をつくのは良くないと私が返すと、そうでは無いのだと、ナツキさんはこんな言い回しを教えてくれた。


「ーーえっと…社会勉強がしたくてですね、だからその…一日だけ、アルバイトをしてみたいなと思っていまして…」

「……」


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