年下の不良くん《番外編》

「久しぶりだな、二人とも
クラス替えなってからあんま見ねぇけど、元気そうじゃん」


「当たり前だろーが
武蔵は相変わらずだな」


「馬鹿健在って感じぃ」


「うっせぇ!!
元気って言え、元気って!!」


ぎゃーぎゃーと騒ぐ奴が三人にもなって、余計にうざい


「んな事より、翔はまたりーかの事か??
つーかお前が病んでる時は、大抵りーかの事だけど」


「………」



何でこうも、俺の周りには何もまだ言ってねぇのに、わかってる奴が多いんだろ


「友達にりりかちゃん取られて、会えないからいじけてんの」


そう武蔵が言うと、女二人は廊下で人目も気にせず大爆笑


「んな事で拗ねんなよっ!!」


「翔マジだっさぁ!!」


けたけたと俺を指さして笑うから、流石に傷つく



「…うっせぇ、しゃーねーじゃん
実際今、相手にされてねぇんだし…」


……自分で言って自分で傷ついた…


「ホント前の翔とは大違いだな」


「ずっとりーか追いかけてるねぇ
りーかと会う前なんか、女追いかけさせるの得意だったのにぃ」


「誤解招くような言い方すんなよ
俺はマジメな男の子です」


「嘘付け、不マジメの間違いだろーが」


「ちげーし」


「んなにりーかに会いたいなら、お前から会いに行けよ
今年受験生だからって、気ぃ使ってっかもしんねーよ、お優しいりーかの事だから」


「…ま、とか言いつつ、杏達は専門学校だからよく会ってるけどねぇ」


「んだよそれ…」


勝ち誇ったのような顔をしてくる二人を、心底恨めしく感じる


……別にいーし、近々会う約束するし…


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