年下の不良くん《番外編》
「じゃあ、残りの二人か
りりかちゃん??
それとも結花ちゃん??」
「はっ??
お前名前知ってんのかよ」
珍しく俺が女の事で食いついたので、武蔵が目を見開いて驚く
「えっ、何!!
お前どっちか気になってんの?!」
「あ??
ちっ、ちげーよ馬鹿」
「おいおい、どもってんぞ〜
はっきり言えよ〜」
いつも俺にいじられてるから、武蔵は日頃の腹いせにちくちくといじってくる
「うざ
マジでうざい」
「ちょ、流石に真顔でそれは泣くよ??」
「チッ……んなこいいから言えよ…」
こんなお喋りマシーンに、彼女の名前聞くだなんて人生の汚点だけど、俺の周りで知ってんのは、こいつしかいない…
「…どっちをだよ」
真面目な表情になった俺を見た武蔵もまた、同じように真面目な顔になった
「………藍色の目の女…」
「ああ、りりかちゃんね」
“りりか"
この三文字が、俺の頭の中で響いた