年下の不良くん《番外編》
「君より10個も上なのに、嫉妬するなんて情けないね…ごめん」
「ううん、あたしは嬉しいよ
しゃちょーさんにちゃんと大事にされてるんだなって実感する」
「そう…ありがとう」
そのまま、ぎゅっと優しく抱き締められる
「…あ、しゃちょーさんもあたしと同じで、ドキドキしてるね」
「はは、まぁね」
「あたしばっかドキドキしてる訳じゃないだね…嬉しい」
「…そうやって素直に言われると恥ずかしいよ」
「へへっ、ホントだね~」
ゆっくり身体が離れると、そこには少しだけ顔を赤くしているしゃちょーさんがいて、もうそれだけで満足してしまう
「──あたしが好きなのは、しゃちょーさんだけだよ」
いつも五月蝿くて、まだまだ子供で、がさつで、笑い方が変なあたし
そんな自分でも、しゃちょーさんは好きだと言ってくれた
一度は苦しみから逃げて、彼から離れていってしまったけれど、彼を好きな事に後悔したことはなかった
あたしは、しゃちょーさんを好きになって良かった
「上手く言葉に言い表せないけど…俺も好き
…だから、離れていくなよ」
「一生離れない…」
逃げてばかりのあたしの恋愛だったけど、それがあって今の幸せがあるなら、あの時の苦しさくらい越えられる
きっと二人の間には、まだまだ沢山の試練が立ちはだかるだろうけど、しゃちょーさんとなら乗り越えていけるよ
───終───