年下の不良くん《番外編》


「君より10個も上なのに、嫉妬するなんて情けないね…ごめん」


「ううん、あたしは嬉しいよ
しゃちょーさんにちゃんと大事にされてるんだなって実感する」


「そう…ありがとう」


そのまま、ぎゅっと優しく抱き締められる


「…あ、しゃちょーさんもあたしと同じで、ドキドキしてるね」


「はは、まぁね」


「あたしばっかドキドキしてる訳じゃないだね…嬉しい」


「…そうやって素直に言われると恥ずかしいよ」


「へへっ、ホントだね~」


ゆっくり身体が離れると、そこには少しだけ顔を赤くしているしゃちょーさんがいて、もうそれだけで満足してしまう



「──あたしが好きなのは、しゃちょーさんだけだよ」


いつも五月蝿くて、まだまだ子供で、がさつで、笑い方が変なあたし



そんな自分でも、しゃちょーさんは好きだと言ってくれた


一度は苦しみから逃げて、彼から離れていってしまったけれど、彼を好きな事に後悔したことはなかった



あたしは、しゃちょーさんを好きになって良かった


「上手く言葉に言い表せないけど…俺も好き
…だから、離れていくなよ」


「一生離れない…」



逃げてばかりのあたしの恋愛だったけど、それがあって今の幸せがあるなら、あの時の苦しさくらい越えられる



きっと二人の間には、まだまだ沢山の試練が立ちはだかるだろうけど、しゃちょーさんとなら乗り越えていけるよ




───終───













< 41 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop