年下の不良くん《番外編》
「早く告らないと、りりかは良い子だからすぐに誰かに持ってかれるよ」
「…わかってるよ、そんくらい」
でも、タイミングっちゅーもんがさ、あるんだよ、俺にも…!!
岡本が良い子だって事くらい、誰もが知ってる
恋愛感情に至るとかまではいかないけれど、陰では男子に人気だ
あの優しく笑う笑顔が、男子にしたら堪らない
その上、家事全般をこなすし、そこらへんのだらしない女子と違い、大人っぽくて清楚
そのせいか、サッカー部の同い年の奴らの中でも、岡本の話が出るときがあり、いつもひやひやしてしまう
…これは余談だが、だいたい俺ら男子の中で話題に上がるのは、大抵あの優美である
どうして、あの口煩い優美がモテるのか、誰か解説してほしいくらい
…そんな事はさておき、俺は受験と岡本にいつ告白しようかを考えないといけない
「口男って割りと恋愛には消極的だよね
普段はかなり積極的で好奇心旺盛なうざい奴なのに~」
「…今一瞬、俺の悪口が聞こえたけど、それは俺の空耳…??」
「もっとさ、がつがついかないと、りりかは分かんないよ~
自分の事にはすんごい鈍いから」
えっ、俺の言葉はスルーですか…??
…まあ、いい
こいつは基本、俺をからかって遊びたいだけだろうから
「今は受験シーズンで色々しんどいかもしれないけど、ちゃんと告白はしなよ」
毎日俺をからかって遊ぶ細川だけど、こうして親身に成って話をしてくれるから、友達としてやっていけるんだろうと思う
「…うん、お互いの受験にちゃんと切りが着いたら、告白するつもりしてる」
「そう…まぁ、相談ぐらいは乗ってあげるから、いつでも来なよ??」
そう話に区切りがついた頃に、次の教科の担当の先生が入ってきたので、授業を開始した