Quiet Cuple

　霞ヶ崎高校の入学式当日。


木咲　灯＜キサキ　トモリ＞は友人の綴川　野乃香＜ツヅリカワ　ノノカ＞と共に自分の教室へと向かっていた。


彼女にはやるべきことがあった。



それはこの隣にいる友人を"クラスで浮かない存在にすること"。


誰に言われたからではなく、彼女が自分に課したミッションだった。



何としてでもこの友人をクラスの雰囲気に馴染ませるのだ！と、彼女は今使命感にかられている。





　それには理由があった。






　そもそも友人、綴川　野乃香とは幼稚園からの所謂幼馴染であった。

家も１ブロック離れているくらいで近かったことや、彼女の母親と自分の母親が高校からの同級生で仲がよかったことも相まって、二人は一緒にすくすくと育ったのだ。