冬桜 −二度咲くモノ-
しばらく歩いて

「あの角を曲がると桜の木だよ。」

と伝える。



この木々の間を抜けると、鈴菜と私の思い出がたくさん詰まったあの桜が待っている。


響聖はそわそわしている。


遠足前の小学生じゃないんだから・・・・。

と思いつつも、そんな姿を愛しく思っている私がいる。




もちろん、今あるこの幸せが、鈴菜の存在の上に成り立っていることを忘れた日など一日たりともない。



逆に、それまで以上に鈴菜を側に感じている気がする。
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