歪み

「紅梨と何があったんだよ?
何で俺に何も言ってくれないんだよ」

駄目泣いちゃ。
泣き虫な自分が嫌だった。
無理して笑う。

「行ってあげて、紅梨のとこ。
今は…あたしより拓が
行って慰めてあげた方がいいの。
あたしは親が迎えに来てくれるの。
だから…先に…帰ってて」

「でも、俺… 」

「良いの、行って!」

戸惑ったままの拓が振り返りつつ
紅梨を探しに駅の方へ走っていった。
じわじわとぼやける視界。

馬鹿みたい、あたし受かったんだから。
泣く必要なんて無いなずなのに…。
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