歪み

「俺…小さい頃からずっと真柚が好きだ」

嘘…でしょ?
掴まれた腕が熱い。
“あたしも好きだよ”なんて言えるわけない。

「紅梨、知ってるの?
拓の好きな人のこと」

「うん。好きな人がいるって言ったら
真柚でしょ?って言われた」

目の前が真っ暗になる。
紅梨知ってたんだ。とっくにバレてたんだ。
だからあたしにバレンタインあげないでって。
どうして気付かなかったんだろう。
あたし、最低だ。
紅梨を応援するなんて言っておきながら
一体何をしていたんだろう。

「ごめん、離して」

「…おいっ真柚?」


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