最高の贈り物〜クリスマスの奇跡
でも裕也は元から心臓が悪くて、度々咳みたいな発作を起こしてた。
病名は知らないけど、とにかく日に日に悪くなっていくのがあたしでも分かった。
そして中3のこの時期、そうクリスマスの時。
『…俺さ、外国で心臓移植の手術受けることになったんだ』
その言葉をこの時計台の前で聞いた。
裕也の話だと、もう移植するしか方法がなくて生き続けるにはこれしかないという。
だからお別れだって言われた。
移植しか生き続ける方法がないとはいえ、助かる確率は半分以下。
助かった事例がほとんどないとか。
でも裕也は手術を選んだ。