最高の贈り物〜クリスマスの奇跡
講義が終わって早足で正門へ行けば、壁に寄りかかる白髪の男の人が。
「…ゆ、裕也……!」
あたしが一言名前を呼べば、こっちをみてくしゃっとした笑みを浮かべる。
「…麻衣、おかえり」
そう言って両手を広げる裕也。
え、ここで抱き締めるの!?
大学の正門で抱き合う恋人なんて、どんだけ目立ちたがり屋なんだ。
あたしが抱きつくのを躊躇ってると、裕也の方からあたしをギュッと抱き締めてきた。
「…今日は仕事早く終わったんだ。
麻衣を待ってたらお腹空いちゃったよ」
エヘヘと照れたように笑う裕也。
その顔が表情が可愛くて、愛しくて。
そして目の前にいる裕也を見れば、裕也はここにいるんだって実感する。