最高の贈り物〜クリスマスの奇跡
あたしは伊織の背中に手を回す資格がないから、伊織の腕をキュッと掴む。
「…ったく、お前は一体何年待たせんだよ」
伊織の言葉に「ごめん」その一言しか出てこない。
伊織の立ち去る背中を見て眉が下がってしまう。
高2の時に伊織に告白された。
ずっと近くにいたからあたしはそんな感情なかった。
そしてあたしには既にいたから。
愛しくて大好きな人。
だから伊織の告白は断った。
でも伊織はまだあたしのことを好きでいてくれてるみたいで、あたしの気が済むまで待っていてくれてる。
あたしの気が済むまでっていうのは、あたしの好きな人のこと。