貴方に咲く花
午後の授業はお腹も満たされて
なんだか眠くなってしまう。
そんな中、私はペンを必死に
走らせていた。
授業の終わりを告げるチャイムにも
気がつかないほどに。
「美広!!!!」
耳元で大きな声がし、飛び上がった。
声のしたほうを見ると
キリッとした眉と目、
小さめの身長と小麦色に
焼けた肌が印象的の
ひとりの女子生徒が
少し怒った顔でこちらを見ていた。
「あ…、香林、どうしたの?」
私は彼女に声をかけた。
彼女は1年の頃からの友人で
横宮香林という。
女子ソフトボール部の部長であり
私の大切な理解者であり親友だ。
そんな彼女が険しい顔をして
こちらを見つめている。