泪
「おい!早く乗れ!!」
最後に残った救命ボートから、宮野の野太い声が聞こえた。
亜希子はその声に振り向いたが、想汰は無視していまだに船内を見続けている。
焦れを切らした宮野がこちらに戻ってくる。
「おい聞こえてるんだろう!この嵐だ、もう船を捨てて逃げるしかない!」
「せっかくの隠蔽行為が無駄になりましたね。仮に助かっても、倉庫内の浸水かしょはどっかのバカが広げたからいずれ明かされる」
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