泪
無駄だと思いながらも一応水谷の携帯に連絡を入れたが、やはり結果は変わらない。
霊障うんぬんより、そもそもこの嵐で電波がたつのだろうか。
昴は軽く頭を振り、歩きながら思考を進める。
彼はどこにいるのか。
一応部屋に寄ったがいなかった。
食堂も、船長室も、倉庫は鍵がかかっていたが中から水の音がしたのでいる可能性は低い。
まだ無事な船の後部部分にもいない。
ならば、可能性があるのは浸水しているであろう船首部分。