泪
「なんなんだよ…。冷えてきて…またいつもと同じように、なにもなかったみたいに、お前らと合流しようと…そう思ってたのに。なんなんだよ…なんだっていうんだよ畜生ッ!」
「ッ!!」
昴は怯えたように震え、わずかに後ずさった。
「……みず…たに?」
「昴。この際だから言ってやる。どうせ助かる確率は低いんだ。全部ぶちまけて、もうこんな思いはやめてやる」
「…おもい?」
昴の表情が、だんだんと恐怖に変わっていく。
聞き返しながら、それ以上はやめてくれと暗に伝える。
水谷なら、いつもの水谷なら伝わるはずだ。
だが、その願いはあっさり崩れた。