【完】恋のキューピットは山田君!
ロッカーに両手をつき、ガックリと頭を
垂れて項垂れる。
自分の不甲斐なさに自己嫌悪。
昨日はついに、山田君に、「あんたこの
一ヶ月を綺麗に無駄にしたね」と真顔で
言われてしまった。
「ど、どうしたんですか、百千さん…」
そう声をかけてくれたのは、同じ弓道部
の女の子。
その女の子を皮切りに、別の子も、大丈
夫ですか、とか、具合悪いんですか?と
か聞いてきてくれる。
うん……ていうかね?
「前から思ってたけど、どうして皆、敬
語なの?」
私は一年生。
つまり、この高校に私より立場の低い子
はいないわけで。
皆、同い年か歳上なのに、何故か女子部
員の全員、私に敬語を使ってくる。